新しい洋書が増えました。
【SAUL LEITER】
ペンシルベニア州ピッツバーグに生まれる。
父親は著名なタルムード学者で、ソールはラビを目指して学んだ。
母親は彼が12歳の時に最初のカメラを与えた。
23歳で神学校を去り、アーティストを志してニューヨークに移った。
当初は絵画に関心を持ち、
抽象表現主義の画家リチャード・パウセット=ダートと出会う幸運に恵まれた。
パウセット=ダートとユージン・スミスはライターに写真を撮る事を勧めた。
彼は直ぐに数枚のスミスの写真を参考に35㎜ライカで白黒写真を撮り始めた。
1948年には、カラー写真を撮り始める。
ロバート・フランクやダイアン・アーバスなどの写真家との交流が始まり、
1940年代から1950年代にかけてジョーン・リビングストンが
ニューヨークに写真学校 を設立するのを手助けした。
続く20年間はファッションカメラマンとして働き、
Show、ELLE、英国版ヴォーグ、Queen、Novaなどの雑誌に掲載された。
1950年代後半、アートディレクターのヘンリー・ウルフはエスクァイアや
後にハーパーズバザーでライターのカラー作品を紹介した。
1953年、エドワード・スタイケンはニューヨーク近代美術館の
「Always the Young Stranger」展にライターの白黒写真を加えた。
ライターの仕事はジェーン・リビングストンの本「The New York School」や、
マーティン・ハリスンの
「Appearances: Fashion Photography since 1945」で特集された。
2008年、アンリ・カルティエ=ブレッソン財団は
ヨーロッパで初めてライターの美術館展示を目録発刊と共に行なった。
2012年、トーマス・リーチはライターをテーマとした長編ドキュメンタリー映画
『写真家ソール・ライター急がない人生で見つけた13のこと』を製作・監督した。
またセカンド・ステート・プロダクションの2015年のドキュメンタリー映画
『Tracing Outlines』でも取り上げられている。
『Saul Leiter Early Color』の編者で著者のマーティン・ハリスンは
「ライターの感受性は… 例えば写真家のロバート・フランクやウィリアム・クラインが
連なる都会の不安との本能的対立の外側に自分を置いた。
その代わりカメラは彼に見て、事象を作り出し、現実を解釈する交互の方法を与えた。
彼はマンハッタンの大混乱の中で静かな人間的瞬間を捜し、
最もありそうもない状況からユニークな都会の牧歌を創り出した。」と書いた。
2013年11月26日、ニューヨークで死去。